2019.02.23

「今の自分に自信はなくていい」キャリアに自信がなかった女性が起業に踏み切れた考え方

人生100年時代。
残りの人生がまだ65年もあるということに気づいた35歳のえりか。
お金のためと思って仕事をしていたけれど、
本当にこれでいいんだっけ?と、自分の人生を見直し中。

金融や報道機関を経て独立後、アパレル未経験でワンピースブランド「Ayuwa」を立ち上げた、渡部雪絵さんにお話を聞きました。

登場人物

渡部雪絵さん

アユワ株式会社 代表取締役
早稲田大学卒業後、金融機関、報道機関を経て、2013年8月に第一子出産。アユワ株式会社を設立し、ワンピースブランドAyuwaを2016年5月にリリース。売り上げの一部を子供支援活動団体に寄付するオリジナルのチャリティプログラムを展開している。

前編はこちら

アパレル未経験、ファッション興味なし。それでもワンピースブランドを立ち上げた理由

1年目は販促に悩む!

実際に販売を開始したのはいつですか?

2016年5月です。
準備を始めてから10カ月くらい経ったころですね。

最初のお客さんはどんな人たちだったんですか?

クラウドファンディングで出資してくれた方々です。
リピートで購入してくださいました。
新規のお客さまも徐々に増えましたが、その方々のリピート率も高くて、とても嬉しかったです。

ただ、口コミでの自然増が多いなか、主体的な販促のために何をしたらいいのかよく分からなくて。

販促かぁ。
たしかに何をするのか、全然想像がつかないです。

ただ、それでも立ち止まるよりとりあえずいろいろやってみようと思いました。

機会に恵まれ、ミス・ユニバース・ジャパン2017の山梨大会に衣装協賛することになりました。
ファイナリストの記者会見では、ファイナリストの皆さんがAyuwaのワンピースを着てくださいました。

また、お客さまからは「絶対に百貨店で販売したほうがいいですよ!」「百貨店で買うイメージのワンピースです」と、事あるごとに「百貨店」というキーワードを頂戴しまして(笑)。

そこで、代表電話から百貨店さんに問い合わせをしたり、ファッション系の展示会に出展をしました。

ファッション系のさまざまな業者の人にワンピースを見てもらえるチャンスですね。良さそう!

そうですね。
確かに百貨店の方との有難い出会いがありました。
仲良くなった百貨店の方はここでの出会い以降、百貨店の婦人服事情やどういった売り場がAyuwaに合うのかなどのアドバイスくださっています。

私はアパレル未経験だったので、こういった1つ1つの出会いに助けられています。

わたし、普段の生活でもカフェや銀行窓口で話した初めましての方とすぐに仲良くなって、その後もずっとお付き合いすることが多くて。
しかもその出会いがいまの仕事につながることもあったり(笑)

おおー!すごい(笑)
じゃあやっぱり展示会出展は成功だったんですね。

そうですね。とても良い出会いがありましたし。
ただ、目的は百貨店で期間限定ショップ開催に繋がる機会を見つけることでした。

百貨店さんの場合、バイヤーさんの担当の売り場やジャンルが決まっているので、必ずしも出会った方のご担当と私が展開しているブランド「Ayuwa」が合致するわけではなくて。

出展した展示会は大規模なものだったので、出会うバイヤーさんのご担当が目的の分野と違っていることが多く、展示会から百貨店さんでの店舗展開などにつながることはありませんでした。

あれ、たしか百貨店で期間限定のショップを出していましたよね?
それは展示会経由ではないんですか?

そうなんです、展示会経由ではないんです。
最初に期間限定ショップを開催した百貨店さんは、バイヤーの方が直接会社にご連絡くださいました。
ウェブ検索で見つけてくださったと。

もう1つ百貨店さんは、証券会社に勤めていたときの上司が紹介してくださって。
とても面倒見の良い上司で、仕事も早い。
見習わなくちゃといまさらながら感じています。
期間限定ショップを開くと必ず来てくれます!男性なのに。

それもすごい(笑)

「どのボタン押したらいい?」家では子供が仕事を手伝おうとしてくれる

販売を開始した1年目はリピーターの方の売上が中心でしたが、2年目からは期間限定ショップでの売上が増えてきました。

ラク美(=ラクして美しく)」プロジェクトでショップを出したのも2年目です。

「Riz Clutch」の梨奈さんたちと手がけたプロジェクトですね。
これからもショップでの販売は続けるんですか?

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2018年5月で販売開始して3年目。
この1年は「グローカル」というグローバル×ローカルをテーマに、期間限定ショップとオンライン販売の両輪で突き進みたいです。

2年目は、東京と神奈川での期間限定ショップに注力する年で、店頭販売に99%の力を注いでいました。
ワンピースやAyuwaというブランドに込めた想いをお客さまに直接お伝えしたくて店舗に立つ時間を増やしていましたが、一方、その他の仕事やプライベートに割く時間が減ってしまいました。

実際の店舗だと開店時間が決まっているから、時間の柔軟性はないですもんね。

そうなんです。
まさに時間の柔軟性を手に入れるべく起業したのに、真逆をいっていました。
去年の春に夫も単身赴任になってプライベートも起業当初に比べて大きく変化しています。

こういった状況だからこそ、仕事では「海外」や「地方」にも目を向けることで前進させ、プライベートでは夫や子供と一緒に過ごす時間を増やしながら充実させていきたいです。

今後は時間の使い方もしっかりとマネジメントしようと思います。
ここ最近は自宅で仕事をしながら、子供が隣で折り紙やお絵かきをしていることもあります。

家で仕事ができるのは本当にいいですよね〜。

時間の使い方に悩んでいるのはお客さまも同じだと思います。
オンラインのサービスを充実させることで、お客さまにも「柔軟な動きのできる時間」を提供したいです。

実店舗でのショッピングは、日々の忙しさに潤いを与えてくれる機会でもあるのでぜひ皆さんに大切にしていただきたいのですが、多忙な日常を過ごす女性がその時間を確保することって意外と大変です。

確かに!
特に子育てしている女性はそんな時間なさそう。

移動時間やちょっとした隙間時間にお気に入りのお洋服をオンラインで注文できる環境を整えることで、お客さまに時間の有効活用をしていただければと思っています。

そうそう!
自宅で仕事をしていると、息子がパソコンを見ながら「どのボタン押したらいい?」ってお手伝いに挑戦してくれます(笑)。

息子さんが仕事を手伝う!

息子は私の仕事を日々見ています。
私が参加する仕事やプライベートの交流会などに連れて行くこともあります。

小さいうちから様々な環境に触れることは、子供の情操教育にも繋がると思っています。

やりたいことは、未来への投資

起業して3年が経ったわけですが、振り返ってみてどうでしたか?

すごく大変です。
安易に起業は勧めないですね(笑)。

事業として成り立たせたいなら、それなりの覚悟が必要です。

ひぇ〜!

ただ、仕事にコミットすること自体は会社員という働き方でも同じことなのではないでしょうか。

時間を自分でつくりだせることは大きなメリットですし、学びも多いですよ。

なるほど…。

私、子供の頃からテレビドラマが好きで。
あ、恋愛ものはあまり観ないですけど(苦笑)。
大好きで観ていたドラマの1つに「ROOKIES」という青春物ドラマがあります。

知ってます!熱いドラマですよね。

そうです。
主役だった市原隼人さんも熱い(笑)。
当時のインタビューで、「自分の人生は自分で決めたい」と仰っていました。
その時、「そうだよなぁ」って素直にそう思いました。
子どもの頃から仕事をされていた方の言葉なので、重みを感じたんですよね。

銀行が舞台のドラマ「半沢直樹」は出産直前のタームで放映されていて。
自分の社会人デビューが銀行員だったこともあり、色々とシンクロしました。
組織で働くことに自分が向いていないと認識させてくれたドラマです。

「半沢直樹」は組織社会の苦悩が描かれてましたよね、確かに(苦笑)。

雪絵さんは起業に向いているのはどんな人だと思いますか?

「1人でいられる人」でしょうか。
子どもの頃、みんなでトイレに行く女子っていましたよね。
社会人でもランチに1人で行けない、もしくは行かない男性もいますよね。

これらが悪い行為ということではなく、そうしないと落ち着かない方に起業は向いていないかも、と思います。
「経営者は孤独」という言葉をよく耳にしますが、その通りだと思うんです。
複数人で起業するケースもありますが、どのような形で起業をしても、役員や社員が増えても、起業した当人であれば最終的な責任はすべて自分に降りかかってきます。

私、休み時間は大抵友達と一緒にトイレ行ってたし、一人ランチも苦手です(笑)。
雪絵さんは起業前のキャリアもすごいし、怖いものなし!って感じですね。
かっこいいなぁ。

いえいえいえ!決してカッコよくはないです。
私も自分のキャリアに自信は全くありません。本当に。

起業前はずっと金融という分野に携わってきましたが、知識や経験は浅くて広いと思っています。
見る人が見れば、「この人は金融のプロフェッショナルではない」と感じるかもしれません。

意外!

今だって自信はありません。
悩みも尽きません。
でも、当たり前のことだと思います。

そして今の自分に自信を持てなくてもいいと考えています。

というと?

過去や今までの自分に対する自信より、自分のこれからの人生に自信を持つこと、これが何より大事かな、と。

健康で元気でいられれば、未来はとっても楽しくて、何が起きても生きていける。
そう思えた自分がいたから、起業の決意が固まり、実行したのだと思います。

なるほどなぁ。
Ayuwaの今後の目標は何ですか?

私がやりたいのは、未来への投資。

Ayuwaが1アイテムの販売につき1コイン(500円)を子供支援活動団体に寄付する、オンラインストアではお客さまが寄付先を指定する仕組みを導入した理由もその一つです。

Ayuwaを通じて、自分がこれまでに困ってきたことを変えるために動きたいですね。

ステキ…!

未来に投資する理由は、「生まれた国や家庭環境の違いで命を落としたり、チャンスをつかめない」というケースを1つでも無くすためです。

寄付先の1つに児童養護施設を卒業する子供のサポートをしている団体があり、ここ最近、Ayuwaでのお買い物を通じてこの団体を寄付先に指定するお客さまが増えています。

日本のみならず、世界中の子供たちが未来にワクワクを感じるサポートができる存在を目指していきたいです。

〜 おわり 〜

TEXT:mamachari編集部

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