2018.07.05

「励ましのシャワーを浴びる」「100点満点を望まない」ダイバーシティがテーマのセミナーで学んだこと

6月22日(金)、”【コモンズ30塾】企業(味の素)×NPO(マドレボニータ)で取り組む『ダイバーシティ』”が開かれました。
今回はトークセッションについてレポートします。

登壇者
コモンズ投信株式会社 取締役会長 渋澤氏
味の素株式会社 理事 グローバル人事部長 髙倉氏
認定NPO法人マドレボニータ 理事長 吉岡氏

“自分が中心でいられる場所”という視点が重要

渋澤氏:
「ボストンは大学が多く、とても若い方が多い街です。
若者に”自分に自信はあるか?”と聞くと、海外では”あるよ”と答える人が多いが、日本は7割ぐらいが”ない””不安がある”と答えるようです。きょうは若い方がたくさんいらっしゃいますので、なにかアドバイスをいただけますか。」

吉岡氏:
「わたしはこの春、フィッシュファミリー財団というアメリカの財団が主催するJapanese Women’s Leadership Initiativeという4週間のリーダーシッププログラムに参加し、ボストンに4週間滞在しました。そのプログラムの一部に、1週間アメリカ人のエグゼクティブクラスの女性たちとともに受講する、大学の集中コースがありました。そこで出会ったアメリカ人の女性リーダーたちは、すごく自信を持っているかというと、そうでもなく、それぞれが悩みを抱えながらなんとかサバイブしている、ということを、実際に交流して初めて知りました。私たちが間接的に見ているアメリカ人はYouTubeやTedTalkなどに出ているような人ばかりなので、彼/彼女らはすごく自信のある国民なんだって錯覚しがちですが、私がボストンで出会った女性たちも、最初から自信があるわけではなく、このような大学の集中コースに参加して、リーダーシップのトレーニングを受けることで、自信をつけていっているわけです。彼女たちはこのようなエンパワーを受ける環境を得て、励ましのシャワーをたくさん浴びて、どんどん変化して行きました。

わたしがボストンで受けたリーダーシッププログラムでは、”あなたには才能がある””あなたがやらないで誰がやるの”と毎日のように言われ続けて、段々そういう風に自分でもやれるような気がして、とてもエンパワーされて帰ってきました。
そういう励ましにどれだけ触れられるかはすごく大きいと思います。励ましのシャワーを浴びる機会がないと、人はどんどん自信をなくすし、しんどくなっていくのかなと思います。

私たちは、自分を卑下するか、高いところから人を批判するか、つまり、下に降りるか上から見下ろすか、という意識になりがちで、自分の中心(ハートの部分に手を当てて)に自分の意識を置くことがあまりありません。”わたしは下手くそで”とか自分で先回りしてハードルを下げて誰にも批判されないようにして、自分を安全なところに置いてしまいます。それは自分の価値を下げることになるし、自分の意識を自分の真ん中においていないので、自分らしさもなくなってしまう。

バイト先にもゼミを選ぶ際にも、自分の意識をちゃんと、自分の中心においておける場所かどうか、そういう視点を大事にしてほしいと思います。」


認定NPO法人マドレボニータ 理事長 吉岡氏

自分の存在感を示すことへの意識が必要

渋澤氏:
「髙倉さんは、官庁、外資系、日本の大手企業と、とても多様なキャリアを経て、いまは人事部長をされていますよね。どういう若手の人材に入ってほしいですか?」

髙倉氏:
自分で考えて発言できることが最低限のベースだと思っています。日本人の場合は”質問はありますか?”という投げかけに対して、手を上げない人が多い。アメリカ人はしっかり自己主張をする人が多いのですが、実はそんなに大したことを言っているわけではないのです。

でも、そこで言わないと自分の存在感を出すことができないわけです。日本人は語学ができるできないの問題ではなく、メンタリティー的なところにあると思います。わたしはそこにすごくジレンマを感じていて、こんなに優秀なのになぜ言わないの?と思ってしまいます。自分自身で考え、その意見を最低限発言すること。

日本人はチームワークに強みがあるので、手をあげながらもチームワークを大事にできる人、そういう人にぜひ入ってほしいと思います。」

いかに早く、たくさん失敗できるか

参加者からの質問:
「外資金融と客室乗務員から内定をもらっていて、外資金融でばりばり働くのか、客室乗務員としてホスピタリティーでプロフェッショナルになっていくのか、働き方だけではなく、人生も大きく変わるので悩んでいます。」

髙倉氏:
「あまり無責任には言えませんが、やはりハートで決めた方が良いと思います。ここでやってみたいなと感じること。面接に出てきた人と働きたいというのも縁ですし、自分の好きなことをやった方が良いと思います。

失敗するのが怖いという感覚がありますが、失敗しないと分からないことはたくさんあります。わたしは”失敗”という字は、”失って”、”敗ける”と書いて最悪だと思うのですが、西海岸では”fail early fail often”と言われていて、結果として失敗してもいかに早くたくさんのことにチャレンジしているかが評価されます。それがグローバルの競争力だと思います。」

渋澤氏:
「わたし自身、小学校2年から大学までアメリカで育っているのですが、帰国した80年代前半のとき、日本で仕事しようと思ったときに信じられなかったことがあります。日本の学生は数ヶ月で就職活動をして、ずっと同じ会社で勤め上げることに不安がなかったのかということです。わたしにとってはすごくリスクだと感じました。

かつては1つの会社で骨をうずめるというのが常識でしたが、いまは色んな選択肢があるのではないかと思います。」


コモンズ投信株式会社 取締役会長 渋澤氏

働いて社会とつながることの価値

参加者からの質問:
「女性が活躍できる社会に、と言われて久しいですが、まだまだ男性社会だと感じています。基盤が整ってきているとは感じるのですが、結局は女性自身の考え方や意識が変わる必要があると思います。

30年前、20年前の女性がそこまで働いていなかった時代にお母さんだった人は、”結婚は?””子供は?””なんでそんなに働くの?”と言われたりして、自分は働きたいが、女性の”こうあるべき”という考え方と現実の違いに悩んでいます。

これから働いていく女性に向けてアドバイスをいただけると嬉しいです。」

吉岡氏:
「働くというのは人間の基本的な権利だと思っています。働くということは社会とつながること。

子育ては、乳幼児期はすごく大変で時間も手間も取られますが、だんだん子どもが自立していって、対等に話せるようになる頃には、自分がどんな人間として生きてきたかが問われます。そのとき、子どもとしっかり対等に対話ができるかどうかは親が社会とつながっていたかどうかだと思います。

子供はいろんな人の関わりの中で育つもの。お母さんだけが抱え込む必要は絶対にない。わたしも20年たって、色んな人に育てられたなと思います。

もう平成も終わろうとしているこの時代、男性も、自分が仕事に専念するために家事や子供の世話は妻に任せたいとか、絶対に言わないで。家庭をマネジメントしていくことは、その人のスキル。自分の“働く”が保証されるためには、パートナーの“働く”だって保証されるべきですよね。」

100点満点を望まず、自分のファンクラブを作る

髙倉氏:
「そんなに100点満点を望まなくて良いと思います。得てして優秀で真面目な女性がギブアップしてしまいがちです。わたしが思っているのは女性は真面目な人が多いので、仕事も子育ても家事も100点満点を求めるわけですが、それはスーパーウーマンではないので出来るはずがありません。それは最初から望まない。

あとは自分のファンクラブを作ること。家族、主人、友人、近所、職場など、いつも生活する場所で多くのサポーターを作ることができるかということが大事だと思います。」


味の素株式会社 理事 グローバル人事部長 髙倉氏

〜 おわり 〜

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取材協力:コモンズ投信株式会社
文:mamachari編集部

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